逝きし世の面影

見たくないものは忘れ去られる。時が経ち記憶が薄れる以上の速さで真実の歴史の記録が書き換えられていく憂うべき有様を嘆きつつ、やがて消えいく我が身なれば逝きし世の面影を僅かではあるが残せればと思う。

post-truth 後で分かった「一言」の重大な意味  (2017/01/30 政治)

首脳会談に臨むトランプ米大統領(右)とメイ英首相=27日、ホワイトハウス

トランプ大統領とメイ首相の間にあるのは前オバマ大統領が撤去したイギリス首相のチャーチルの胸像。1月20日の大統領就任に合わせてトランプが復活させている。(首脳会談のトランプが選挙期間中に比べてえらくスマートに写っているのですが、ホワイトハウスの執務室での写真撮影時は普段重ね着している防弾チョッキを脱いでいるからかも知れない)

『トランプ新アメリカ大統領の就任演説の「古い同盟国」とは日本ではなくイギリスだったとは、トホホ』

1月29日の産経新聞ですが、1月20日にアメリカの新しい大統領に就任したトランプと直接会えたのはメイ英首相だけ。安倍・トランプ電話会談がようやく出来たが、独仏両首脳だけでなく米旧政権(オバマ)が経済封鎖中のロシアのプーチンとの電話会談さえ日米首脳会談よりも先になったとの『恨み節』が書いてある。
アメリカ第一主義を公言するトランプの優先順位が、何ともあっけらかんと分かり易いし露骨なのですから愉快である。
直接会えたイギリスだけは別格で、電話会談でも他の欧州のドイツフランスの次がロシア、日本はその後になっている。
1月20日の大統領就任演説で『古い同盟国を大切にする』と語ったトランプ新アメリカ大統領ですが、さっそく27日にEU離脱を決めているイギリスのメイ首相と会ったが、トランプとメイが二人仲良く手をつないでいる画面を、これ見よがしにマスコミ向けに披露する。


写真に写っている何とも不自然な米英両首脳の手の向きからはメイ(イギリス)がトランプ(アメリカ)の手を必死に握って離さない様にも見える。(マスコミ報道では、逆に親密な米英関係を演出するためにトランプがメイの手を握ったと報じている)

『古い敵国だった日本』

日本のマスコミとか安倍晋三首相(日本政府)は、就任式のトランプが言った『古い同盟国』の意味を日本だと誤って報じていた。ところが、普通のアメリカ人が思う『古い同盟国』とはイギリスしか存在しない。(あるいは英国とイスラエルの二カ国のことか?)
何とも困った話であるが一億総痴呆状態で日本が71年前にアメリカと大戦争をしていた事実を失念しているですよ。我が日本国ですが、古い同盟国どころか、アメリカ人にとって間違いなく『古い敵国』なのです。(国連憲章には今でも敵国条項が残っているのですから理論的には『古い敵国』どころか、今でも敵国?である)

『昔も今も、独立国家の基本は「国境線を守る」ことだった』

丙鳥の2017年の今年は大政奉還から150年目。トランプですが就任演説では『国境線を守れ』と何度も強く言っているが、これは150年前当時の長州藩の攘夷と同じ主張ですね。19世紀当時の一般市民層ですが幕府がアメリカの砲艦外交に屈して開国した影響で金が流出で物価の上昇とか外国船の検疫が出来ないのでコレラが蔓延するなど塗炭の苦しみを味わっていた。150年昔の日本では『攘夷』の主張は庶民層の切実な願いでもあったのですが、これはメキシコとの間に壁を作るトランプ大統領を熱烈に支持する今のアメリカの一般市民層と同じ発想である。世の中は150年経っているが社会の仕組みとか原理原則には大きな変化は無かったのである。



『医師や弁護士、コンピュータープログラマーなどの特殊技能の就労ビザを抽選制(オバマ)から高額給与制に改めたトランプ』

オバマ時代のアメリカでは大学など高等教育の資格が必要な労働ビザ(専門職用のH-1Bビザ)の発給数は年間8万程度の上限が設定されていて、希望者に対して抽選で行っていたが、トランプは中産階級を守る目的で給与の高い順で発給すると改める。
多くの人々が誤解しているが世界で日本国のように自国語での高等教育が行われているのは日本やフランスなどごく少数だけの例外だった。アジアアフリカ中安米や欧州の小国など圧倒的多数は英語で高等教育を行っているのである。
我が日本国の安全保障の基本(国境)は数百キロもの海という天然の要害に守られて安全が担保されているばかりか、日本語というもう一つの見えない国境線によって安全が守られていた。文科省は小学校の英語必修化を言い出したが、日本が米国や英国化したなら3万人の弁護士とかその10倍の医者などの高等教育が必要な専門職の賃金が10分の1の外国人に置き換えられ中産階級が崩壊し、その結果必然的に日本人勤労者全体の平均給与が劇的に低下する。

『今までと同じトランプ(アメリカの新政府)叩きを偽装して、オバマ(旧政権)を叩くHuffington Postの高等戦術』

ハフィントンポストUS版では『トランプ大統領、難民・イスラム教7カ国の入国禁じる 大統領令サインは国際ホロコースト記念日』との記事を掲載していて、1月27日、ドナルド・トランプ大統領令に署名し、激しい内戦化のシリアなど7カ国からの難民受け入れを中止したことを、一見すると批判する記事を書いている。(ネットメディアのHuffington Postは他の主要欧米メディアと同じように、今までは激しいトランプ叩きを飽きることなく続けていた)
アメリ国務省によると9・11以来の避難者数は80万人。年平均で6万人程度をアメリカは難民として受け入れていた。
ところが、この記事では、
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、99%の難民は他国に定住できていない。』
と、はっきりと書いてある。
記事は続けて、
『トランプの大統領令は全く前例がないというものではない。アメリカは、9月11日同時多発テロの後2カ月間、難民受け入れを一時停止した。しかし、それ以来、アメリカ政府は大幅に審査基準を引き上げた。』
と、表面上はトランプ(新政権)を叩くと見せかけて、実質的にオバマ(旧政権)を叩いているのである。
選挙で選ばれたシリアの正統政府を『民主主義』の美名で倒そうとしながら、一方ではシリア難民を受け入れる欧州諸国ですが偽善の見本のような話であり、定住できるのはたった1%。圧倒的多数の99%は住み慣れた祖国で平和に暮らしたい。(悪魔の碾き臼新自由主義でヒトモノカネが自由に国境を超える世界が生まれたが、モノやカネとは大きく違いヒトは基本的に今の場所から『動きたくない』)
マスコミはシリア国内での安全地帯設置を言い出したトランプを一斉に攻撃しているが、何とも胡散臭い話である。

オバマが耕し種を撒いて育てた果実を、今回トランプが刈り取った??』

イランなどイスラム圏7か国の入国制限はオバマ大統領だった。今回トランプ大統領オバマの政策を強化しただけだった

1月30日の『トランプ大統領の入国規制はなぜイラン、イラク、シリアなど7か国なのか?』とのBusinessNewslne記事によると、
トランプ大統領が出した7か国を対象とした入国禁止ですが、しかし、なぜ、対象国はイランなどの7ヶ国なのか?について英語圏のウェブサイトRedditは、この7ヶ国を選んだのは、トランプ大統領ではなく、オバマ大統領だったと書いている。
オバマ大統領は2016年に、7ヶ国の外国人を対象に一部のビザの発行規制をかける法律を施行した事実はCNN等アメリカのメディアがすでに報道している明確な事実である。そして、トランプ大統領になり、前オバマ政権の政策を拡大したのが、今回のトランプ大統領による大統領令の経緯だった。

エルサレム移転はアメリカ大統領候補のほぼ全員が主張していた!ところがメディアが叩くのはトランプ一人』

イスラエルアメリカ大使館のエルサレム移転発言ではパレスチナ自治政府が宣戦布告と見做すとの強硬発言を行ったと全てのマスコミが報じているが、これは、いわゆる『誤報』ではないがトランプに対する歪んだネガティブキャンペーンのフェイク(嘘)ニュースの代表例であろう。
そもそも今のアメリカ(もちろん欧州諸国でも)では反ユダヤ主義だと見做されれば、即政治生命を失う仕組みが出来あがっているので、アメリカの大統領候補のほぼ全員が『アメリカ大使館のエルサレム移転』を選挙期間中には訴えて当選しているのである。(もちろんん、当選したら選挙期間中の公約は封印する)
トランプ新アメリカ大統領ですが、『在イスラエルアメリカ大使館のエルサレム移転』について質問され『時期尚早だ』と答えているが、この事実をマスコミが報道しない。歴史的経緯とか事実関係を完璧に無視して、選挙中の話を今でも繰り返すメディアの態度があまりにも不思議なのである。

『メディアのネガティブキャンペーンに悪乗りしたスターバックに対してアメリカでボイコットの動き』

また同じ日のBusinessNewslne『今度は消費者が反トランプを掲げた企業に対して不買運動の動き』でもイスラム圏7か国の入国制限のトランプの大統領令についての主要マスコミの『トランプバッシング』報道とは逆の動きが書いている。
Yahoo Financeの記事によると、トランプ大統領によるイスラム7ヶ国を対象とした入国規制に反対してStarbucksが1万人の難民を雇用するとする方針を発表したことについて、消費者が不買運動を計画している。
このStarbucksの発表だと、Starbucksは米国人の代りに難民を雇うことを表明したように受け止められてしまっていることが、消費者の間で反発を買う要因となっているらしい。
ちなみにStarbucksの米国内の従業員数は12,218名なので、マスコミが報じた『1万人の難民雇用』が事実なら、スターバックスは従業員のほとんどをアメリカ市民では無くて、わざわざ難民を雇う話になるので普通の常識的な米国市民だったなら賛成するよりも、間違いなく怒る方が多いだろう。

『マスコミが大きく報じた反対は15の州だけの圧倒的な少数派』

『他のアメリカの過半数以上の州政府では以前からトランプ新大統領の政策に賛成していた』

何故か過激な『トランプ叩き』を飽きることなく続ける欧米メディアと同一歩調の日本国では、今朝の全国紙も地方紙も一斉に全米の15の州の司法長官が今回のトランプの大統領令(イスラム圏7か国からの入国制限)を批判したと大きく報じている。
ところが、そもそもトランプ大統領誕生以前から全米50州の過半数の知事が、メキシコとの国境の壁とか今回のイスラム圏からの入国制限を連邦政府に対して要求していた。地方(州)政府段階ではマスコミ報じるニューヨークなど反対派(15州)は少数で、逆にトランプと同じ政策(入国の制限)が圧倒的な多数派になっている事実は1月27日以後のネットメディアのHuffington Postが報じていた。(よい方なのか、悪い方かは不明だが)世の中の動きが確実に大きく変わってきているのである。